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JTCOメルマガ『風物使』

2011年08月31日 配信
「涼風が虫の音運ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』処暑号

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  「涼風が虫の音運ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』処暑号
    vol.27 2011年08月31日発行(旧暦 8月3日・葉月)

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拝啓
蝉しぐれが少し遠く響く今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。軽
やかな初秋の風に鳴る風鈴に、ちょっぴり行く夏を惜しんでしまいそうです。


+‥‥+ 2011年処暑号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……………… 【生物】虫の言葉を聞いて:『秋虫』
 ・季節の行事 ……………… 御待夜祭 (千葉県成田市)
 ・JTCOからのお知らせ …… 姫革扇子ケース大人気発売中です!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【生物】虫の言葉を聞いて:『秋虫』


「草深み こおろぎ多に(さわに) 鳴く屋前(やど)の 萩見に君は 
何時か来まさむ」
(作者未詳 『万葉集』巻10-2271)

(訳:草深い我が家の庭に、たくさんのコオロギが鳴いています。ハギも見
ごろになりました。あなたはいつ見に来てくださるのでしょうか。)

夏の暑さも峠を越し、夕風にカナカナと響くヒグラシの声も少し寂しげに聞
こえる頃になりました。夜風に混じって秋虫の声が聞こえてくると、ああも
う秋なのだなと感じます。

日本人は万葉の時代から、秋の情趣として虫の音に耳を傾けてきました。こ
の頃は、スズムシもマツムシもクツワムシも、秋の虫はみな「蟋蟀(こおろ
ぎ)」と呼んでいました。平安時代になると、それぞれの虫の声を聞き分け
て、聞き分け遊びや競い合わせをするようになりました。源氏物語の38帖
『鈴虫』には、野山で採ってきた虫たち(虫選び)を屋敷の庭に放ち(野放
し)、虫の音を聞きながら管弦の宴を催す場面が描かれています。「秋の虫
の声はいずれも素晴らしいが、マツムシがとりわけ優れている。庭ではあま
り鳴いてくれないが」「コオロギはどこでも分け隔てなく鳴いてくれるのが
かわいらしい」など、虫たちを批評したり、源氏が出家してしまった正妻の
女三宮の声を「スズムシのように美しい」と歌に詠んでおり、虫の種類がは
っきりと区別されている様子がわかります。

虫の音を楽しむ文化は次第に庶民の間にも広がっていき、江戸時代中期には
市松模様の屋台に虫かごを並べて売る「虫売り」という商売が生まれました。
飼育技術も高度になり、越冬中のスズムシの卵を温めて孵化させ、早期に高
く出荷するようなことも行われていたそうです。当時の浮世絵には、夕涼み
をしながら野の虫の声を親子で聞く様子や、虫かごを持った子どもが母親に
連れられている様子が描かれており、虫の音を楽しむことが広く庶民の娯楽
であったことが伺えます。

虫の音を聞き比べ楽しむ習慣は中国でも古くから伝えられていますが、この
ような感性は世界的に見ても非常に珍しいのだそうです。西洋人は虫の声が
雑音としてしか聞こえなかったり、その声すら聞こえない人が大部分ですが、
これは虫の声を左右どちらの脳で認識しているかの差によるものということ
です。日本語の環境で育った人は、人種や民族に関わらず川のせせらぎや虫
の音などの自然界の音を言語と同じ左脳で処理するようになるが、そうでな
い人は言語以外の雑音と同じ右脳で処理するのだそうです。つまり、日本語
環境で育った人は、文字通り「虫の音」を「虫の声」として認識しているの
です。和歌のほとんどが自然の情景を叙述する内容である理由も、これでな
んとなく納得がいきますね。

現在の日本では昔に比べて小さなかごに入れられた虫たちが売られている光
景を見ることは少なくなりましたが、住宅やビルの谷間の植栽にもたくさん
の虫たちが生息しているようで、夜風が吹く時刻には自然と虫の声に耳を傾
けるのが秋の夜の日課になっている方も多いのではないでしょうか。こんな
「虫聞き」の情趣を、日本人としていつまでも大切にしていきたものです。


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


御待夜祭(おたいやさい)[千葉県成田市] 9/3(土)~9/4(日)


承応年間(1652~1655年)、下総国印旛郡公津村の名主・佐倉宗吾(木内惣
五郎)は、凶作と佐倉藩主が課す重税に苦しむ農民救済のため、当時禁じら
れていた将軍(4代将軍家綱)への直訴を決行し父子ともに磔の刑に処せら
れました。人々が宗吾を偲んでその命日(旧暦8月3日)に行なわれていた供
養がこのお祭りの起源です。かつては旧暦8月3日の命日の前夜を「御逮夜
(おたいや、仏教用語で命日の前日の午後のこと)」と呼び、宗吾霊堂に人
々が集って夜を明かしました。
宗吾の物語は、佐倉義民伝として歌舞伎の演目にもなっています。その百年
忌に、佐倉藩はその失政を悔いて「宗吾道閑居士」の法号(戒名)を宗吾に
諡号(しごう・生前の事績に対する贈り名)しました。
現在では9月の第一週目の土日に若者による山車の引き回しが行われ、宗吾
霊堂境内には露天が立ち並び地域の祭りとして愛されています。


▼御待夜祭 宗吾 宗和会ホームページ
http://www4.pf-x.net/~souwakai2004/



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

JTCO企画:姫革扇子ケース大人気発売中!

発売開始後、「こんなにきれいだと思わなかった」「使うのがもったいない」
とのうれしいご感想をいただいている扇子ケース、好評発売中です!今年お
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,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第27号(2011年処暑号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

今年の夏は暑くなるのが早く、まさに酷暑が長期間続きましたが、その暑さ
も過ぎてしまうとなぜか寂しさが胸をよぎります。源氏物語の「鈴虫」の帖
で女三宮も、「秋というものはつらい季節だとわかっておりますが」と詠っ
ていますが、夏は賑々しく、秋は寂しいというのは古代から共通の感情なの
でしょうね。

今年の夏はカキ氷を食べ損ねたのが唯一の心残りです!


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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