NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

JTCO日本伝統文化振興機構
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JTCOメルマガ『風物使』

2010年10月26日 配信
「染め初む山野に雨落ちる」~ 季節の使い・JTCO『風物使』霜降号

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 「染め初む山野に雨落ちる」~ 季節の使い・JTCO『風物使』霜降号
     vol.9 2010年10月26日発行(旧暦 9月19日・長月)

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 いている個人/団体/法人様にお送りしています。         
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拝啓
関東では朝方はときおり、ぴんと張った空気を感じる今日この頃、みなさま
いかがお過ごしでしょうか。夏が長かった今年の秋は短く、すでに北日本で
は紅葉が見ごろとのことです。霜が降りはじめる前に、木々の錦を見に出か
けましょう。


+‥‥+ 2010年霜降号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・季節の祭り…………… もともとは「黄葉」でした:『紅葉狩り』
 ・旬の味………………… これさえあれば医者要らず?:『カキ(柿)』
 ・JTCOからのお知らせ… 『JTCO・伝統工芸館』で隠れた名品を知る
 ・編集後記


○o 季 節 の 祭 り ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

もともとは「黄葉」でした:『紅葉狩り』

秋の深まりとともに、今年も紅葉狩りの季節がやってきました。「紅葉狩
り」という言葉や習慣が広まったのは平安時代といわれていますが、万葉の
時代でもすでにモミジを愛でる習慣はあったようです。

「秋山をゆめ人懸くな 忘れにし そのもみち葉の 思ほゆらくに」
(『万葉集』巻10-2184)

(訳: 秋の山のことは決して口にしないでおくれ。あの見事な紅葉を思い
出して切なくなってしまうから。)


「モミジ」という言葉は、もともと「もみつ」という動詞で、秋になり草木
が赤や黄に色づいていくさまを指しました。これが上の歌のように「もみ
ち」と名詞になり、さらに「もみぢ」「もみじ」となって今に至ります。


「経(たて)もなく緯(ぬき)も定めず 少女(おとめ)らが 織る黄葉(もみち
ば)に 霜なふりそね」(大津皇子『万葉集』巻8-1512)

(訳: まるで、乙女たちが縦糸も横糸もなく気の向くままに織った錦のよ
うだ。こんな見事なもみじの上に、霜よ降らないでおくれ。)


現代では、モミジといえば紅(くれない)の葉を思い浮かべますが、万葉時
代の大和地方では、コナラやクヌギなど黄色に色づく樹木が多かったためか、
この時代の「もみち」には「黄葉」の字が当てられていました。赤く色づく
モミジの代表格であるイロハカエデなどは、この頃はまだ「カヘルデ(かえ
るの手、カエデのこと)」と呼ばれていたようで、モミジの代名詞にはなっ
ていなかったようです。源氏物語の第7帖、「紅葉賀(もみじのが)」でも
わかるように、平安時代以降はモミジに「紅葉」の字を当てるようになって
いきました。

本来狩猟を意味する「狩り」という言葉が、草花を眺める意味に使われるよ
うになった理由は、狩猟をしない平安貴族たちがモミジや草花を手折って鑑
賞したからとも言われます。手折るまでもなく、赤や黄色の葉は遠目にも、
風に散っても美しいものですから、今年も現代らしい紅葉狩りを楽しみまし
ょう。


○o 旬 の 味  ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

これさえあれば医者要らず?:『カキ(柿)』

少し前まで数や種類が少なかった店先のカキも、いまはまさに鈴なりです。
カキは日本原産であるとも、古代に中国から伝わったとも言われていますが、
日本の気候に適し古くから日本中で栽培されてきた、私たちになじみの深い
秋の味覚です。

現在、日本にはなんと約1000種類ものカキの品種があると言われています。
それらは大まかにと渋柿と甘柿の2つに分類でき、渋柿は果実が硬いうちは
熟しても渋いので、干し柿にして食べるのが普通です。平安時代ごろにはす
でに干し柿が携帯食や保存食に利用されていたようです。

甘柿は、渋柿が突然変異によってできたものと考えられています。日本最初
の甘柿として知られているのは、鎌倉時代の1214年、現在の神奈川県川崎市
麻生区にある王禅寺で偶然見つかった「禅寺丸(ぜんじまる)」という品種
です。このお寺は1370年の新田義貞の鎌倉攻めの戦火で消失しましたが、そ
の後再建にあたった等海上人が、敷地内の熟したカキがとても美味であった
ため、近隣にも栽培を広めたとのことです。

カキは「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるように、果実にはビ
タミンC、K、B1、B2、カロチンなどのビタミン類やポリフェノールの一種で
あるタンニン、ミネラルなどを多く含みます。果実が二日酔いに効くという
ことは江戸時代には広く知られていましたが、これはビタミンCやタンニン、
カリウムの働きによるものです。また干柿の白粉(柿霜)は咳止めの薬とし
て、大名から将軍に献上されることもあったようです。
甘くて美味しい果実だけでなく、ヘタや葉、花も漢方薬や民間療法の煎じ薬
として利用されてきました。奈良県や和歌山県、石川県の郷土料理である「
柿の葉寿司」が柿の葉に包まれているのは、柿の葉に殺菌作用があるためで
す。

私たちの味覚を楽しませるだけでなく、健康維持にも多くの効能のあるカキ。
カキの木の寿命は長く、樹齢400年を超えてもまだたくさんの実をつけるこ
とができます。カキの木の生命力をおすそ分けしてもらいながら、寒い季節
に備えましょう。


▼柿いり白和え(山形県)
庄内柿で知られる山形県庄内地方の郷土料理です。
http://www.piconet.co.jp/magazine/recipe/263.html



○o JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『JTCO・伝統工芸館』で隠れた名品を知る

本年4月のサイト開設から、全国の伝統工芸関連の法人様、団体様のご協力
をいただき、おかげさまで約半年で『JTCO・伝統工芸館』は80件を越す伝統
工芸品をご紹介できるようになりました。経済産業大臣指定の伝統的工芸品
はもとより、全国的に知られていない、都道府県の伝統工芸品もご紹介して
おります。

前回のメルマガ発行時から、追加された伝統工芸品は16件。その一部をご紹
介いたします。

◆江戸和竿(東京都)
享保(1716~36)年間から作られ始め、今なお釣り好きの間で愛されている
釣りざおです。魚の種類によって、さおを使い分けるそうです。
http://www.jtco.or.jp/kougeihinkan/?act=detail&id=100&p=13&c=23

◆駿河竹千筋細工(静岡県)
弥生時代の登呂遺跡からも竹のザルやカゴが出土したという、古くからの竹
製品の産地、静岡県。スタイリッシュな明かりや、気軽に使える器類など、
今の暮らしに採り入れたい製品が作られています。
http://www.jtco.or.jp/kougeihinkan/?act=detail&id=92&p=22&c=23

◆宮古上布(沖縄県)
勇敢な宮古の男のエピソードから世に出たという、からむし(麻の一種)で
織られた美しい織物です。
http://www.jtco.or.jp/kougeihinkan/?act=detail&id=103&p=47&c=16


○o 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


『風物使』第9号(2010年霜降号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

今回はいつもとは少し趣向を変えて、当会サイトでご紹介している伝統工芸
をいくつかピックアップしてお届けしました。部分的に素材や製法が変わっ
ているものもありますが、数百年~千数百年を経ていまなお私たちの生活の
中で使い続けられている伝統工芸品。多くの職人さんが、必要以上に大事に
せず、実用品として使い続けていって欲しいと願っていると思います。気軽
に使える小物から、暮らしの中で使ってみませんか。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/

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