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JTCOメルマガ『風物使』

2017年03月22日 配信
「発つ鵯を春が追う」~ 季節の使い・JTCO『風物使』春分号

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  「発つ鵯を春が追う」~ 季節の使い・JTCO『風物使』春分号
    vol.108 2017年3月22日発行(旧暦 2月25日・如月)

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拝啓
春分の日も過ぎ、東京にも桜が咲き始めました。新しいスタートの季節は、今
までとは違う何か新しいことに挑戦してみたい気持ちになります。皆様は何か
ご予定はあるでしょうか。



+‥‥+ 2017年春分号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【生物】平安貴族の人気ペット: ヒヨドリ
 ・季節の行事…………   まるまげ祭り [富山県氷見市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【姫革・白なめし革】ペンケース
 ・JTCOからのお知らせ   3月歌舞伎座催事:大阪なにわべっ甲
 ・編集後記



,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【生物】平安貴族の人気ペット: ヒヨドリ

「このうちにまだすみなれぬ冷え鳥は 心ならでも世をすぐすかな」
(土御門院『土御門院御集』)

(訳:この場所にまだ住み慣れないヒヨドリだが、心に適わずとも時を過ごし
ていることだよ。)

梅や河津桜の時期が終わり、そこここに春の兆しが見えるころになると、そろ
そろ越冬を終えた鳥たちが北への帰り支度を始めます。「ヒーヨ!ヒーヨ!」
という甲高い鳴き声から名づけられたと言われるヒヨドリたちもその中の一つ
です。

ヒヨドリはハトよりも二回りほど小さいスズメのなかまで、日本では都市部で
もツツジやサクラなどの甘い蜜や、庭木の果実を楽しんだりする様子が見られ
る身近な鳥です。今では温暖化の影響で渡りをしない個体もいるようですが、
もともとは10月ごろに飛来して4月ごろに北に戻る渡り鳥でした。

源平合戦の大きな見せ場の一つである「一ノ谷の戦い」には、有名な義経の
「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」が出てきますね。この鵯越とは、一ノ谷
(現在の神戸市須磨浦の西)の北の山の手を指し、ここで毎年春と秋にヒヨド
リが群れを成して渡りをする様子が見られたことからついた名称なのだそうで
す。

ヒナから育てると人によく懐くことから、平安時代には非常に人気のある飼い
鳥でした。平安中期から鎌倉初期にかけての700余編の説話を集めた『古今著
聞集』には、貴族たちがヒヨドリを愛玩する様子がいくつかの話に描かれてい
ます。第690話には、1172年、後白河院が「鵯合わせ」と呼ばれる遊戯を自ら
の御所で開き、貴族たちが「無名丸」「千与丸」などと名付けた自慢のヒヨド
リを持ち寄って鳴き声を競わせたとあります。また、ヒヨドリに和歌を添えて
贈ったり、大切にしているヒヨドリを譲ってくれと言われて思い悩む貴族の話
なども収められており、ヒヨドリが風流な遊びには大事な存在だったことがわ
かります。

飼い鳥として大切にされる一方、果実や穀物を食い荒らす害鳥として農家では
嫌われていたようです。江戸時代の1727年に刊行された『田舎荘子』という談
義本には、ヒヨドリがほかの鳥たちを集めて、人里で田畑の作物や庭先の果実
をうまくかすめ取るにはどうしたらよいのか、また鳥餅にかかった時にはどう
すればよいのかなどをしたり顔で指南する話が出てきます。おそらく、実際の
田舎の生活でも、人とヒヨドリの知恵比べが繰り広げられていたのでしょう。

一昔前までは、地方では捕獲したヒヨドリを日常的に食用にしていたところも
あるようです。最近ではシカやイノシシなどと同様、個体が増えすぎて食害が
深刻になったことから、許可を得て狩猟をすることも可能になっています。捕
獲した鳥獣類を無駄なく活用するため、ジビエ料理も注目されていますので、
美味といわれるヒヨドリを味わう機会も増えてくるのかもしれません。

ヒヨドリは東アジア地域に分布するものの、日本以外では見ることが少なく、
来日するバードウォッチャーの関心の的ともなっているそうです。世界から見
ると珍重される鳥ながら、長年あまりに日本人の生活に寄り添い過ぎたためか、
生活環境の変化で渡りを忘れたり、増えすぎて迷惑がられたりと、人の都合で
振り回されて気の毒な気もします。

冒頭の歌は、承久の乱(1221年)で鎌倉幕府に反旗を翻し、遠流となった後鳥
羽院の第一皇子、土御門(つちみかど)院が詠んだものです。院は温和な性格
が禍して、父後鳥羽院により弟に譲位させられますが、挙兵にあたり父を諌め
たと言われています。乱後、父の遠流が決まると、幕府からの処罰はなかった
にも関わらず、自ら申し出て土佐に配流となりました。時代や立場に翻弄され、
穏やかな人生が許されなかった院が、自身をヒヨドリに喩えて詠ったのがこの
歌ですが、現代を生きるヒヨドリたちの共感も得られるかもしれませんね。


【参考サイト】 2017年3月19日参照
Wikipedia, ヒヨドリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A8%E3%83%89%E3%83%AA
コトバンク, 鵯越
https://kotobank.jp/word/%E9%B5%AF%E8%B6%8A-121464
ヒヨドリ,古今著聞集 鵯合(ひよどりあわせ),後白河法皇,たまきはる.
井上靖「後白河院」
http://hanamoriyashiki.blogspot.jp/2011/01/blog-post_30.html
「センター試験国語」9『田舎荘子』
http://blog.livedoor.jp/mizuho1582/archives/50434745.html
土御門上皇(第83代天皇、歌人)の流刑(土佐、阿波)にまつわる歴史伝承、
承久の乱、遠流、百種和歌、とは(2009.11.21)
http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/39.html



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

まるまげ祭り
[富山県氷見市](4月17日)

かつて幸せな結婚を願った芸妓たちが、年に一度の休日に人妻のシンボルであ
る丸髷(まるまげ)を結って千手観音にお参りしたのが始まりと伝えられてい
ます。現在では公募で集まった未婚の女性が丸髷を結い、山伏がほら貝を吹き
鳴らす中、太鼓台や稚児たちとご千手寺まで練り歩きます。

幸せな結婚を祈り、あでやかな日本髪と華やか着物姿で練り歩く女性たち。県
内外からの参加者でにぎわっています。


※ぴこねっと日本ねっ島より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/10274



,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【姫革・白なめし革】ペンケース

あと1週間程で年度が変わりますが、これを機に文房具を新調する方も多いの
ではないでしょうか。勉強やお仕事のモチベーションも上がりますよね。そこ
でご紹介したいのが【姫革・白なめし革】ペンケース。

今の季節にぴったりな桜や盛り花、蝶をはじめ、そのほか豊富なデザインをそ
ろえています。サイズも大きすぎず小さすぎず、ボールペンや小ぶりな定規な
ど必要なものをスマートに持ち歩けます。

美しい白なめし革で、軽やかなのに丈夫な作りの伝統工芸品がお手頃な価格で
お求めできます。ちょっとしたプレゼントやご自分用にも最適です。


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,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


【歌舞伎座】3月31日まで、大阪なにわべっ甲が出店中!

今回で3回目の出店となりました、大阪なにわべっ甲。希少な素材に繊細な
加工を加えた、毎回新しいデザインの商品がお待ちしております。これから
の夏に向けて嬉しい、軽やかな琥珀製品もたくさん取り揃えております。
ぜひ歌舞伎座地下二階木挽町広場にお越しください。

詳しくはJTCOホームページで↓↓
http://www.jtco.or.jp/news/?act=detail&id=146


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第108号(2017年春分号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

東京の川でボートに乗っていると、水辺には多くの水鳥が棲んでいることに
気づかされます。おなじみのカモメやカモだけでなく、首の長い大型のサギ
などもいて、おそらく川の魚を狙っているのだと思います。

一時は悪臭を放っていた神田川にアユが戻ってきたりと、水質改善により東
京の川にもたくさんの生き物たちが住めるようになってきました。江戸時代
のようにツルとは言わないまでも、都市部でも生物の多様性が維持される日
本であって欲しいものです。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

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〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
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