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JTCOメルマガ『風物使』

2016年09月26日 配信
「秋の刈田に案山子佇む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』秋分号

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 「秋の刈田に案山子佇む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』秋分号
    vol.99 2016年9月26日発行(旧暦 8月26日・葉月)

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拝啓
関東地方ではすっかり涼しくなり、新米も楽しみな今日この頃、皆さまいか
がお過ごしでしょうか。
気温の変化が激しく、お天気もぐずつきがちなこの季節、体調には十分気を
つけたいですね。

+‥‥+ 2016年秋分号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【生活】田の神の依り代:案山子(かかし)
 ・季節の行事…………   秋の高山まつり[岐阜県高山市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【土佐和紙レターセット】EDOOSA 秋/もみじ、
  秋/菊
 ・JTCOからのお知らせ   10月歌舞伎座に「関西のええもん」が再来!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【生活】田の神の依り代:案山子(かかし)

山田もるそほづの身こそかなしけれ 秋はてぬればとふひともなし
(玄賓僧都『新百人一首』十五)

(訳: 山の田を守る案山子(かかし)の身とは哀しいものだ。秋が終わっ
てしまえば、隠棲する私のように訪ねてくる人もいない。)

7月初旬に沖縄から次第に北上してきた新米前線は、10月には東北・北海道
地方に達し、今年の稲の収穫もじきに終わりを迎えます。これまで、青々と
した苗や黄金に波打つ稲穂に囲まれて、鳥や獣たちから稲を守ってきた案山
子たちが、刈り入れの終わった田んぼにぽつんと残されている風景があちこ
ちで見られる季節になりました。

案山子はアメリカの童話『オズの魔法使い』にも主要なキャラクターとして
も登場するように、世界中で田畑の作物を鳥獣の食害から守る役目を果たし
てきました。多くは人の姿を模して作られますが、日本ではもともと「嗅が
し(かがし)」と呼ばれており、髪の毛や魚の頭、獣の肉などを焦がしたも
のを串に刺し、田畑に立てて嗅覚的に鳥や獣を追い払ったものが原型とされ
ています。※1), 2)

『古事記』には、歩く力がなく、どこにも足を運ぶことがなくとも世の中の
全てを知っておられる「久延毘古(くえびこ)」という神様が描かれており、
この神は"山田のそほど(=かかし)”と説明されています。今でこそ多様
なスタイルの案山子があるものの、日本の案山子の多くが一本足である(=
歩くことがない)のはこれに由来するのかもしれません。

また「くえびこ」とは、「崩え彦(=体の崩れた男)」の意で、風雨にさら
されて朽ち果てた案山子の姿を表現していると言われます。歩くこともなく、
風雨に耐えてじっと作物の成長を見守り続ける案山子は、悪霊の仕業とされ
た鳥獣の害を追い払ってくれる、田の神の依り代と考えられていました。※
3)

「かかし」の表記には、「鹿驚」というわかりやすい字が見られる一方、一
般には「案山子」という不思議な漢字が当てられています。これは、宋代の
中国の禅書である『景得伝灯録』に、「面前案山子、也不会(面前の案山子
に会うことはできない)」という一説が由来であるとされています。いかに
も禅問答といった感じの一説ですが、「案山(あんざん)」とは、机のよう
に平らな低い山、「子」とは「人の形をしたもの」のことを指し、「山の中
にいて話すことのない人形」という意味となります。※4)

狂言の演目である『瓜盗人』は、物言わぬ瓜畑の案山子を壊してまんまと瓜
を盗み出した男が、味をしめて次の日も畑に盗みに入ったところ、案山子に
扮した畑主にこっぴどくやっつけられるというお話です。人が案山子のふり
をして盗人を懲らしめるという話は民話としても残っており、案山子は鳥獣
だけでなく盗人からも作物を守る役割を期待されていたのかもしれません。
※5)

春から秋まで作物を見守り続けた案山子たちは、旧暦の10月10日に「案山子
揚げ」「ソメの年取り」などと呼ばれる行事で田畑から引き揚げられ、蓑笠
に箒や熊手を持たされて餅や大根などのお供えをしてもらいます。この供養
は、その年の役目を終え、神となって天や山に還っていく案山子たちをお送
りする重要な行事とされています。※ 1)

冒頭の歌は、桓武天皇の病気平癒を祈願し、清貧を貫いたことで身分を問わ
ず人々から敬愛された高僧、玄賓(げんぴん、734-818年)が詠んだ歌です。
歴代の天皇や上皇の信を得た徳の高い僧であっても、隠棲の身となっては、
刈り入れの終わった田に残された案山子にわが身をなぞらえずにいられなか
ったのでしょうか。ですが、役目を終えた案山子たちがただ田畑に打ち捨て
られるのではないように、玄賓僧都も後世に至ってなお、万民に敬愛され続
けたことを知っていただきたいですね。※ 6)


【参考サイト】(2016年9月25日参照)
1) Wikipedia, 「かかし」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%97
2) 語源辞典, 「案山子」
http://gogen-allguide.com/ka/kakashi.html
3) Wikipedia, 「久延毘古」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E5%BB%B6%E6%AF%98%E5%8F%A4
4) 里山教室,かかし作り
http://seitaien.exblog.jp/6515371/
5) 和泉流狂言「瓜盗人」(うりぬすびと)
http://plaza.rakuten.co.jp/seimeifan/004043/
6) 禅と東洋の心,「玄賓僧都」
http://rakudo.jp/meisou01.html


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
秋の高山まつり
[岐阜県高山市](10月9~10日)

日本の三大美祭のひとつに数えられる秋の高山まつり。大変優雅で美しい秋
のお祭りが、7つの県に囲まれた数少ない内陸県、岐阜県高山市で開催され
ます。

高山まつりは、日枝神社で行われる春祭と桜山八幡宮で行われる秋祭の総称
で、国指定民俗無形文化財に指定されています。伝統を受け継いできた屋台
の構造や彫刻、人形はどこをとっても美しく、絢爛豪華な姿を現在も見るこ
とができます。

桜山八幡宮境内の高山祭屋台会館では、秋の高山まつりに曳き出される実物
の屋台を近くで1年中目にすることができます。

※ぴこねっと日本ねっ島より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/10741


,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【土佐和紙レターセット】EDOOSA 秋/もみじ、秋/菊

http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1488757&csid=0

日暮れの時間も早くなり、朝晩は涼しく感じるようになりました。秋も少し
ずつ深まり始め、ご家族やご友人など親しい方々のご体調を気遣うこともあ
るのではないでしょうか。普段は携帯やメールで連絡を取ることが多いです
が、夜長の秋にペンを持って一筆お手紙を書いてみるのもいいですね。

【土佐和紙レターセット】EDOOSA 秋/もみじはひらひらと舞う紅葉をイメー
ジした落ち着いたデザイン、秋/菊は菊を格子に大きくあしらった、素朴な
がら華やかなデザインとなっています。土佐和紙は質の良い水などの自然条
件を備えた高知県で生産され、しっかりとした上質な質感が特徴です。

書き手の気持ちを深く伝えられる手書きのお便り。大切な方を思いながら、
秋らしい便箋に筆を入らせてみませんか。

詳しくはオンラインショップで↓↓
http://wayouen.jp/


,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

10月歌舞伎座に「関西のええもん・すごいもん」が再登場!

2016年10月01日(土)~2016年10月31日(月)までの1ヶ月間、再び銀座歌
舞伎座木挽町広場で「関西のええもん・すごいもん 職人の技」が帰ってき
ます!!

今回は、歌舞伎座木挽町広場催事2回目のなにわべっ甲、出店3回目となる好
評を博した奈良の草木染、約1年ぶり3回目大阪唐木指物の各工房がご提供す
る魅力ある品々が皆さまのお越しをお待ちしております。

↓↓詳しくはこちら↓↓
http://www.jtco.or.jp/news/?act=detail&id=127


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第99号(2016年秋分号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

筆者は先週までスペインを旅していたのですが、スペインでも全く日本と同
じような案山子が畑に立っていました。

案山子は世界中で農業の開始とともに自然発生的に作られるようになったの
か、はたまた紙や火薬のように文明の伝播とともに伝えられたものなのかは
わかりません。人の姿を模したものなので当然といえば当然なのですが、あ
まりにも日本の案山子にそっくりなスペインの案山子に、日本にいるような
錯覚に陥ってしまったのでした。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

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