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JTCOメルマガ『風物使』

2016年07月22日 配信
「夏の夜空に送り華咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大暑号

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 「夏の夜空に送り華咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大暑号
    vol.96 2016年7月22日発行(旧暦 6月19日・水無月)

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拝啓
雨が降って涼しい日と、うだるように暑い日が交互に訪れる今日この頃、皆さ
まいかがお過ごしでしょうか。こんな時期には、ウナギでしっかり栄養を摂る
ようにしましょう。


+‥‥+ 2016年大暑号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【行事】原型はのろしでした:「花火」
 ・季節の行事…………   山口七夕ちょうちんまつり [山口県山口市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【姫革・白なめし革】メガネケース
 ・JTCOからのお知らせ   銀座歌舞伎座:高知和雑貨「ほにや」出店中!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【行事】原型はのろしでした:「花火」

「大舟のつく田のおきにあぐる火の 空に残りて月とかがよふ」
(井関隆子『井関隆子日記』)

(訳: 大きな船から佃島の沖に打ち上げられる花火は、残月の名にふさわし
く、空に残って月のように輝いているよ。)

7月も下旬に差し掛かり、日本各地で盛んに花火大会が催される季節になりま
した。夏の夜空を華やかに彩る打ち上げ花火、家族や友達と楽しむ手持ち花火
は、長く日本の夏の風物詩ですね。海外では、夏に限らず記念日や新年などに
花火を上げてお祝いをしますが、日本で夏の花火が定着するようになったのに
は、どんな経緯があったのでしょうか。

花火のルーツは、世界各地で古代から信号として使われてきた「烽火(のろ
し)」です。中国では、伝達する状況や内容によって燃やすものや数を変え、
その組み合わせで異なる意図を伝えました。「のろし」に当てられる字として
「狼煙」とオオカミが出てくるのは、蛋白質を多く含み、黒くまっすぐに煙が
立ち上るオオカミの糞が燃料に使われたためです※1)。

のろしに使う燃料を色々と試すうちに偶然見つかったのか、黒色火薬の原料と
なる硝石が火に投じられると激しく燃えることは古代から知られていました。
火薬の発明は唐代の6世紀頃を待つことになりますが、初期の花火が作られた
のはこの頃とも、もう少し時代が下った南宋時代の12世紀頃ともいわれていま
す。火薬は当時中国で盛んに研究されていた錬金術や、不老不死の霊薬を調合
するための錬丹術の副産物として生まれたもので、花火の発達は武器としての
火薬の発達と軌を一にするものでした※2)。

日本に花火が入ってきた時代には諸説ありますが、室町時代の15世紀、公家の
万里小路時房が遺した日記『建内記』に、清浄華院の境内で花火と思しき「風
流事」を中国人が披露したという記録が見られます。このときの花火はすでに、
今で言う鼠花火やロケット花火のようなもので、遊興目的でさまざまな花火が
開発されていたようです※3)。

日本で独自の花火が作られるようになったのは鉄砲伝来以降とされ、現代のよ
うな花火が盛んに開発されるようになったのは江戸時代以降になります。徳川
家康のお膝元である三河地方は、火砲開発のために唯一幕府より火薬の製造や
貯蔵を公式に認められていた場所で、その副産物としての花火も、岡崎を中心
とした三河地方で発達しました。静岡県は今でも花火打ち上げの許可件数が全
国1位で、花火関連業者が集中する地域ですが、これは江戸幕府の政策の名残
なのです。※3), 4)。

1613年の記録に、徳川家康が駿府城で明の商人による花火を鑑賞したとあり、
その後、まずは全国の大名の間で、ほどなく江戸市民の間でも花火が大流行し
ました。火災を懸念した幕府が何度も隅田川以外での花火を禁じるお触れを出
したものの、禁を破る者は後を絶たず、将軍自ら城内で花火見物を催す始末で
した。隅田川では、大名や武士、富裕な町民が借り上げる豪奢な花火舟が夏の
大人の遊興として活況を呈しました※2)。

日本で花火が夏に行われるようになったのは、大文字焼や灯篭流しのような、
送り火と関係があると言われています。送り火とは、お盆の時期に私たちのも
とに帰ってきたご先祖様や死者の魂を、あの世にお送りするために焚く火のこ
とです。現代に続く隅田川の花火大会は、もとは「両国川開き」と言われてい
たもので、そこには鎮魂の意味が込められていました。

享保17年(1732年)、日本はイナゴの大発生による全国的な凶作や、コレラの
流行に見舞われ、多くの犠牲者を出しました。翌18年(1733年)の旧暦5月28
日に、将軍吉宗はその慰霊と悪霊退散のために隅田川で水神祭を行います。そ
の際、両国橋畔の料理屋が許しを得て、川施餓鬼※として花火を打ち上げまし
た。このときから、川開きの初日に花火を上げるのが恒例となりました※2)。

※施餓鬼(せがき)とは、成仏できずに飢え苦しむ魂に飲食物を捧げて供養す
る法要。川施餓鬼とは、戦乱や飢饉、災害などで亡くなった人の鎮魂のために
川岸や舟で行う供養のこと。

冒頭の歌は、江戸末期に九段下で暮らしていた旗本夫人が佃島の花火によせて
詠んだものです。天保11年から13年(1840-42)にかけて、清国でアヘン戦争が
勃発したため、幕府は諸大名に火砲の開発を命じました。佃島の花火は砲術演
習の余技として行われたもので、両国よりも盛大に花火が打ち上げられ、その
轟きが九段下まで響いていたそうです※4)。

もとは戦の道具として開発が始まった花火ですが、いつの時代も現代の私たち
と同じように、人々は花火の轟きや夜空に広がる一瞬の瞬きに心をときめかせ
てきたに違いありません。そんな平和なひと時が、いつまでも続くことを願っ
てやみません。

1) Wikipedia, 「狼煙」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%BC%E7%85%99
2) NPO法人すみだ学習ガーデン, 「花火のルーツをたどる」
http://www.sumida-gg.or.jp/arekore/SUMIDA005/S005-02.htm
3) Wikipedia, 「花火」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E7%81%AB
4) 深沢秋夫(2007)『旗本夫人が見た江戸のたそがれ』文春新書.


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

山口七夕ちょうちんまつり
[山口県山口市](8月6~7日)

約600年前の室町時代より続く山口七夕ちょうちんまつり。月遅れの8月に行わ
れ、約10万個の紅提灯に灯りがいっせいに灯ります。祖先を祀った大名・大内
氏の盆提灯が、いつしか庶民の間に広まりならわしとなったといわれています。

1本のろうそくが燃え尽きる約2時間、通りは灯りで埋め尽くされその様子は
さながら光のトンネルです。山口の夏の風物詩に、ぜひ思いをよせてみてはい
かがでしょうか。


※ぴこねっと日本ねっ島より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/11521



,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【姫革・白なめし革】メガネケース

http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1691746&csid=0

お気に入りのメガネを使っているのに、どうもメガネケースは好みの物が見つ
からないと思うことはありませんか。またメガネは使わないけれど、夏にはサ
ングラスを必需品とする方も多いのではないでしょうか。外出時にはできるだ
けコンパクトに持ち運びたいですよね。

【姫革・白なめし革】メガネケースは、口金つきで斜めに大きく開くので、出
し入れもスムーズでバッグの中でもかさばりません。ゆったりサイズで大き目
のグラスまでお使いいただけます。豊富なデザインからお選びいただけますの
で、きっとお気に入りの一品が見つかること請け合いです。

しなやかで丈夫な【姫革・白なめし革】メガネケースは、皆さまのアイウェア
をしっかり守ります。

詳しくはオンラインショップで↓↓
http://wayouen.jp/



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

銀座歌舞伎座:高知和雑貨「ほにや」出店中!

7月1日~31日まで、地下鉄東銀座直結の歌舞伎座・木挽町広場にて、高知でオ
リジナルの和雑貨を展開するほにやが出店しております。

華やかな和柄をあしらったバッグやポーチなどの小物、また高知名物のしょう
がやかつお節を使った食品まで、全て日本製ながらリーズナブルな価格でご提
供しております。見ているだけで楽しくなる店舗ですので、銀座にお越しの際
はぜひお立ち寄りください。

店舗の写真はこちらで:
https://www.facebook.com/551623044897998/photos/pcb.1090401307686833/1
090401047686859/?type=1&theater



,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第96号(2016年大暑号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

今年の土用の丑の日は7月31日。かの有名な発明家、平賀源内が仕掛け人と言
われる土用の鰻は、暑い夏の疲労回復に欠かせないものです。疲労回復にウナ
ギを食べる習慣は万葉の頃から続いているそうですが、栄養学がなかった時期
に、どのようにウナギが疲れに効くということがわかったのでしょうか。

昔の人は精神的な感受性だけでなく、肉体的な感受性も現代の私たちよりずっ
と優れていたのかもしれませんね。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
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