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JTCOメルマガ『風物使』

2016年06月21日 配信
「氷室開きに涼求む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』夏至号

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  「氷室開きに涼求む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』夏至号
    vol.94 2016年6月21日発行(旧暦 5月17日・皐月)

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拝啓
全国的な大雨の予報の出る今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
九州地方ではすでに被害が出ており、その後の状況が心配されますが、これか
ら雨を迎える地域でも、十分な注意をするようにいたしましょう。


+‥‥+ 2016年夏至号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【生活】盛夏の必需品: 氷
 ・季節の行事…………   湯涌温泉氷室開き [石川県金沢市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【姫革・白なめし革】小銭入れ
 ・JTCOからのお知らせ   銀座歌舞伎座・熊野筆第二弾!
 ・編集後記



,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【生活】 盛夏の必需品: 氷

「八文で家内が祝ふ氷かな」
(小林一茶『七番日記』文化十二年(1815年)六月)

(解釈: たった八文(=96円)で、家中が大喜びする氷であるよ。)

6月下旬ともなると、梅雨の晴れ間が真夏日になることも多くなりました。そ
ろそろ、素麺や氷菓子などの冷たい食べ物が欲しくなる季節ですね。

旧暦の6月1日(新暦の7月上旬、2016年は7月4日)は、氷朔日(こおりのつい
たち)と呼ばれ、かつては冬に仕込んだ雪や氷を氷室から出して貴人に献上す
る日でした。

氷室の歴史は古く、紀元前1780頃の楔形文字の粘土板に、北メソポタミアの都
市国家テルカで氷室が作られたという記録が残っています。ペルシアでは紀元
前400年頃までには、今でも使われているヤフチャールと呼ばれるドーム型の
氷室で、夏の砂漠でも氷を保管する技術が確立していました※1),2)。

日本では、『日本書紀』に初めて氷室の記録が見られます。仁徳天皇62年(西
暦374年)、仁徳天皇の弟である額田大中彦皇子(ぬかたのおおなかつひこの
みこ)が闘鶏(つげ、現在の奈良県天理市福住町)に狩りに出られた際、山の
頂上から野を見渡すと、盧(いわや)のようなものが目に入りました。そこで
村長の闘鶏稲置大山主(つげのいなぎのおおやまぬし)に「あれは何か」と尋
ねたところ、「氷室でございます。土を一丈(=約3m)ほど掘り、茅で覆って、
さらにチガヤ・ススキを厚く敷き、氷をその上におくと夏でも解けません。暑
い時期に水や酒に浸して使います」と答えました。そこで皇子はその氷を持ち
帰って天皇に献上したところ、天皇は喜ばれ、以来毎年師走には必ず氷を納め、
春分の頃から氷を配るようになりました※3)。

昭和63年に、平城京の長屋王(ながやのおおきみ)邸跡から見つかった木簡に
は、この「都祁氷室」(つげのひむろ)の広さや、そこで保管された氷のサイズ、
人足や運搬人の賃金などが記されていました。『日本書紀』の孝徳天皇の時代
(7世紀半ば)の記述には、「氷連」という姓も登場し、「氷室」と並んで、
代々氷室を管理する職を担っていた家系と考えられています。律令制(7-10
c)の下で宮内省主水司(もひとりのつかさ=飲み水や氷の調達、粥の調理を
担当する役人)が置かれて以来、明治時代に廃止されるまで、製氷を司る役職
がずっと続いたというから驚きです※1),3)。

今でも、各地に氷の神様を祀る氷室神社や氷室町、氷室村などという地名が残
っていますが、これらは全て製氷室があった頃の名残です。氷は運搬が難しか
ったため、昔は貴重であったことは想像できますが、氷室は全国にあり、平城
京では東西の市で氷が売られていました。そのため、貴人だけでなく庶民も氷
を利用する習慣があったのではと考えられています※4)。

平安時代にはすでに、かき氷は夏の風物詩だったようで、枕草子の第42段「あ
てなるもの(=上品なもの)」には、「削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺
に入れたる(=新しい金属のお椀に、かき氷を入れてシロップをかけたも
の)」とあります。現代では、かき氷は見た目を涼し気にするためにガラスの
器に入れることが多いですが、確かに金属の器に入れたほうが、手に冷気は伝
わりやすくなります。平安時代には食べるだけでなく、器を持つ手も冷やすこ
とで、余すところなく氷の涼感を愉しんだ様子が伝わってきます。

江戸時代には、氷室は江戸市中にも作られるようになり、冒頭の句にもある通
り、庶民でも気軽に氷を愉しんでいたようです。ですが、加賀藩から将軍家に
遠路氷を献上したことを始めとして、藩主などへの氷朔日(こおりのついた
ち)の習慣は健在であったことから、こんな句も残っています。

「つつがなく氷納めてぐず寝かな」(小林一茶)

江戸時代、お百姓は氷だけでなく松茸などの貢物の献上のため、人足として徴
用されることがあり、これがかなりの百姓泣かせだったようです※5)。この句
には、無事氷の献上を終えてやれやれと朝寝坊しているお百姓さんの姿がよく
表れていますね。

古代から涼をとるために欠かせなかった氷。自然の中でゆっくりと凍結する純
度の高い氷は、家庭の冷凍庫で手軽に氷が作れる現代でもやはり価値の高いも
のです。秩父や日光、長野などの数少ない蔵元で作られる自然氷を利用したか
き氷は、ふわふわでキメが細かく、食べ続けても頭がキーンとならないと評判
です。まだ試したことのない方は、この夏ぜひ、甘味処で味わってみてくださ
い。

【参考文献、参考サイト(2016年6月20日参照)】
1) Wikipedia, 「氷室」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B7%E5%AE%A4
https://en.wikipedia.org/wiki/Ice_house_(building) (英語)
2) Wikipedia, 「ヤフチャール」
https://en.wikipedia.org/wiki/Yakhchal (英語)
3) 野村恵智雄, 「信州の氷室」
http://www.manabook.jp/icemanlibrary06nomura.htm
4) 奈良・平安時代の暑さ対策を支えた氷室
http://www.bell.jp/pancho/kasihara_diary/2006_08_07.htm 
5) 篠田 鉱造(1996)『増補 幕末百話』岩波文庫.



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

湯涌温泉氷室開き
[石川県金沢市](6月30日)

夏七月一日、金沢では「氷室の日」と呼ばれ、藩政時代には旧六月朔日を「氷
室の朔日」と呼んでおりました。金沢では藩政期に多くの氷室が作られ、多く
は昭和初期まで使われていましたが、昭和17年~18年頃には殆ど姿を見なくな
りました。そこで昭和61年より、湯涌温泉観光協会と金沢市が氷室の復元に努
め、ついに氷室開きは今年で31回目を迎えることとなりました。

また、7月2日~3日には「氷室開き週末イベント」も開催されます。氷室茶屋
にてスイーツとドリンクが提供されます。

復元された「氷室」は金沢において歴史的、文化的にも重要な物と考えられて
います。金沢の石川の風物詩として残して行かなければならない伝統行事とし
て全国発信を続けています。


※湯涌温泉観光協会 公式サイトより引用
http://yuwaku.gr.jp/?page_id=138



,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【姫革・白なめし革】小銭入れ

http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1488736&csid=3

夏といえばお祭り。日本各地で様々なお祭りが開催され、人々を賑わせます。
中には浴衣を着て、日常から少し離れて開放的な気分になることもできます。
お祭りで歩き回る時、特に浴衣を着ている場合は、大きなお財布を持ちたくな
いと思うことがあります。こんな時にぴったりなのが、【姫革・白なめし革】
小銭入れ。

内側にも外側にもポケットが付いており、大きく開けて小銭をすぐに出すこと
ができます。カードもお札も小銭も入れられる、大変使いやすいつくりになっ
ています。また姫革はとても軽い素材なので持ち歩くにはちょうど良く、楽し
いお祭りや外出を邪魔することはありません。

大好きなデザインを持ち歩けば、使うたびにお祭り気分も盛り上がりますよ。


詳しくはオンラインショップで↓↓
http://wayouen.jp/



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

銀座歌舞伎座・6月23日より熊野筆第二弾!

6月16日から出店しております、広島県の熊野筆。世界的に評価の高い熊野筆
を手に取って間近でご覧いただけるのも、残すところあと1週間となりました。

書道用の「熊野筆」の技術から生まれた化粧筆は、世界のメイクアップアーテ
ィストにも使われる高品質の筆です。いずれも確かな技術で作られた逸品です。

23日からは、商品のラインナップが一新されます。贈り物としても、ご自身用
としてもぴったりなお品が皆さまのお越しをお待ちしております。


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第94号(2016年夏至号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

筆者はここ数年、毎年自然氷のかき氷を食べてみたいと思っているのですが、
残念ながら気が付くと涼しい風の吹く時期になっており、まだ叶っていません。

酷暑はつらいものですが、その中だからこそ楽しめることもあるもの。まさに
「てんこ盛り」のかき氷を一人で完食する自信はないので、今年こそは友人を
誘って食べに行こうと思っております。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
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