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JTCOメルマガ『風物使』

2012年05月29日 配信
「麦満ちて栴檀咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小満号

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  「麦満ちて栴檀咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小満号
    vol.38 2012年05月29日発行(旧暦 04月09日・卯月)

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拝啓
日中の陽射しに夏の訪れを感じつつある今日この頃、皆さまいかがお過ごし
でしょうか。朝晩は涼しい日もまだありますので、上着は持って出かけたい
ですね。


+‥‥+ 2012年小満号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……… ビタミン学の先駆となった:『ムギ』
 ・季節の行事………… 斎王まつり [三重県多気郡明和町]
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【食物】ビタミン学の先駆となった:『ムギ』

「紅葉ばのちるやちらぬに種まきて 卯月さ月にかるはこぞくさ」
(『倭訓栞』中編八古)

(訳:もみじが散るか散らないかの頃に種をまいて、卯月・皐月の頃に刈り
入れをするのは去年草(=ムギ)であるよ。)

「小満」とは、ムギの類が徐々に満ち始めることから来ているとも言われる
とおり、秋にイネを刈り取った後に蒔かれたムギがそろそろ刈り入れを迎え
る時期になりました。日本では「石高」が有力者の経済力を示す単位となっ
たように、気候が適していたこともあり稲作中心の社会が発達しましたが、
世界を見渡すとムギは1万年前にはすでにメソポタミア地方で栽培されてお
り、農耕定住生活を促進して文明発展の基礎を築いた、人類の歴史とは切っ
ても切れない作物でした。

ムギは3世紀の弥生時代にまず大麦が、そのあと小麦が中国から朝鮮半島を
経て日本にやってきたといわれています。712年ごろ成立した『古事記』に
は、スサノオが殺したオオゲツヒメノ神の体から五穀が生えてきたというく
だりがあり、その中にムギも含まれています。ここではこのムギが大麦なの
か小麦なのかはわかりませんが、同年代に書かれた『続日本書紀』の『元正
天皇の詔勅』(722年)には、救荒作物としてソバと並んで大麦・小麦の栽培
が推奨されており、文献上で区別が確認できます。

奈良時代には小麦のほうが大麦よりも盛んに栽培されていたようですが、大
麦のほうが小麦よりも栽培がしやすく安定した収穫が見込めること、製粉技
術の普及の遅れから、粒のまま利用できる大麦が好まれたことなどが理由で、
その後長い間大麦の栽培が多くなりました。

支配層がコメにこだわったため、ムギは雑穀として庶民の食料となっていき
ます。農村では江戸時代まで碾き臼が普及せず、小麦粉が貴重であったこと
に加え、小麦粉の持つグルテンの特性により、うどんや饅頭などいろいろな
形に加工できたため、農民たちの間では小麦はハレの日の食材として位置づ
けられるようになりました。

徳川家康は大名としては珍しく大麦入りの麦飯を常食としていたそうですが、
これはムギに整腸などの効用があることを知っていたからだと言われてれて
います。実際、大麦にはコメの20倍もの食物繊維が含まれており、疲労回復
に役立つビタミンB1も豊富です。玄米に代わって白米が普及した江戸時代に
は、それまで天皇や貴族などに限られていた脚気が、武士や町人の間にも流
行するようになります。江戸を離れて食生活が雑穀に戻ると快方に向かうこ
とから、脚気は「江戸患い」と呼ばれました。ソバやムギ、アズキが脚気に
効くということは経験的に知られており、脚気の起きやすくなる夏には、武
家では麦飯が振舞われたそうです。

明治期の海軍軍医、高木兼寛は、下士官以下の兵員や囚人に脚気の患者が多
く、士官に少ないことに着目し、脚気の原因が食生活にあることを突き止め
ます。脚気の原因がビタミンB1の欠乏にあることが確定するのには大正時代
を待たなければなりませんでしたが、兵食をパン食にしたり、麦飯を取り入
れたりすることで、脚気にかかる兵員は大幅に減少しました。これが高木が
「麦飯男爵」・「ビタミンの父」と言われる所以です。

近年では食事の洋風化や健康志向からムギ類を主食に取り入れることも多く
なりました。実は日本の食生活に長い歴史のあるムギ、上手に取り入れて行
きたいものですね。



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


斎王まつり [三重県多気郡明和町](6月2~3日)

斎王(さいおう、いつきのみこ)とは、天皇に代わって伊勢神宮または賀茂
神社に巫女として赴いた未婚の内親王または女王(親王の娘)のことです。
三重県多気郡明和町あたりにあったとされる伊勢の斎宮にちなみ、毎年その
行列が再現されています。

斎王まつり実行委員会によるサイト:
http://saioh.sub.jp/



,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第38号(2012年小満号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

「日本の伝統食は健康的」とはよく言われることですが、洋食の採用によっ
て古代からの病が解決した歴史があったのは少し意外ではなかったでしょう
か。よき伝統を大切にしつつも、新しいものを取り入れていく柔軟性が常に
必要とされているということのよい例だと思います。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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