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2021/02/03 更新

ジュネーヴ・アリアナ美術館の、日本陶磁器企画展調査に協力しました


2020年12月11より2022年1月9日まで、スイス・ジュネーヴのアリアナ美術館にて、日本の陶磁器の企画展 ”Chrysanthemums, Dragons and Samurai(菊、龍とサムライ)" が開催されております。

※アリアナ美術館は、2020年12月24日~2021年2月28日まで、新型ウィルス対策のため一時全館閉館中です。詳細はホームページでご確認ください。




アリアナ美術館は、陶磁器とガラス作品の質の高いコレクションで世界的に知られる美術館で、過去に日本で生産された、美術的価値の高い陶磁器(有田、肥前、薩摩など)も数多く収蔵されています。

2020年4月、当企画展開催にあたり、美術館学芸員の方より19世紀に日本で生産された陶器人形の産地について当機構にお問い合わせをいただきました。
これらの陶器人形は、アリアナ美術館の創立者であるギュスターヴ・レヴィロイドが、1888-89年に日本に訪れた際に蒐集したものです。しかしながら、当時の輸出関連資料が逸失しており、生産地や作者などの情報が不明となっています。




「娯楽」の銘のある駕籠かき


「娯楽」の銘


「英娯」の銘のある灯篭と庭師


「英娯」の銘


「香仙」の銘のある鵜飼い


「香仙」の銘

その他の人形の資料はこちら(PDF形式)



当機構では、日本各地の陶磁器を収蔵する美術館・博物館、および図書館にお問い合わせし、情報提供を依頼いたしました。それにより、幕末以降には、陶工が全国を行き来するようになったため、作風や技法、素材などから産地や窯を特定することは難しいが、幕末~明治にかけて、横浜などの貿易港近くで生産された輸出用の商品ではないかということまでは推測することができました。

横浜では、かつて「横浜焼」と言われる陶磁器が焼かれており、全国の陶工たちが集まって作陶の腕を競い、多くの作品が海を渡りました。中でも「眞葛焼(まくずやき)」は非常に精緻な作風に、絶大な評価を得ました。

残念ながら、今回の調査の範囲ではアリアナ美術館に収蔵されている陶器人形の出処を特定することはできませんでしたが、生産当時、または生産された時期よりそう遠くない時代の市井の人々の風俗を生き生きと伝える人形作品に出逢うことができたこと、またそのふるさとを辿る旅は非常に興味深いものでした。

同時に、すでに日本でも生産地を特定することが難しくなっているこのような作品が、遠く海を越えたスイスで大切に保管されていることに感謝と感動を覚えずにはいられませんでした。在欧の皆さまは、ぜひ会期中にアリアナ美術館にお出かけいただき、海を渡った逸品をご鑑賞くださいませ。



また、この調査にご協力くださいました博物館・美術館・図書館ご担当者さまに、この場をお借りして深くお礼申し上げます。

なお、当機構ではこの陶器人形についての情報を引き続き募集しております。何らかの情報をお持ちの方は、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いに存じます。



▼調査にご協力いただいた施設および団体さま(順不同、敬称略)






▼アリアナ美術館学芸員による展示準備風景(提供:アリアナ美術館)


展示品の採寸を行う


展示品のサイズに合わせて壁にフックを取り付ける


展示品に合わせた最適な展示が検討される


美しくレイアウトされた輸出用ディナーセット


▼展示品の一例(提供:アリアナ美術館)


鮮やかに色づけされた陶器人形


薩摩焼の香炉(苗代川窯)


九谷焼の舟形香炉


有田焼の壺(肥蝶山深川製)


有田焼の皿




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