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伝統「和色」の世界

2014/11/18
伝統「和色」の世界

みなさんは「虹色」「さくら色」と聞いて、どんな色を思い浮かべるでしょうか。私は「虹色」と言われれば7色のカラフルな色を、「さくら色」と言われれば桜の花びらの淡い桃色を思い浮かべます。きっと、多くの方も同じような色を思い浮かべているのではないでしょうか。

ですが、日本での「虹色」という色は、このうすいピンクのような色のことを、そう呼ぶそうです。ちなみに、少々見えにくいですが、←こちら左側の■の色が「さくら色」です。

このような色の事を「和色」と呼びます。「和色」とは、日本文化特有の色彩感覚に基づいた色、または過去の歴史資料において出典がある日本固有の伝統的な色名称を含む色のことです。この「和色」、色味・名前・由来、どれをとっても非常に美しかったり、不思議なものが数多くあります。

今回は、数ある色の中から選りすぐった「和色」をご紹介させていただきます。


■ 江戸紫(えどむらさき)
「江戸紫」とはその名の通り、江戸で染められた青味を帯びた紫のことです。本来の紫に江戸の名をつけるのは、京都の「京紅」に対してのことで、紫染は江戸が優れ紅染は京都が優れているというところからの表現であり、色そのものを指しているのではないのです。

■ 退紅(あらぞめ / たいこう)
「退紅」とは、みのごく薄い赤紫色で、色名は褪めた紅の意味です。この色、「あらぞめ」と「たいこう」の2つの読み方があります。平安時代に、薄い紅花染めの染色名で「あらぞめ」とよみ、従者などの身分の低い者が着用した場合は「たいこう」とよんだというのが、その理由です。

■ 栗梅(くりうめ)
「栗梅」とは、栗色を帯びた濃い赤茶色です。「栗色の梅染」が略されたもので、江戸時代前期から使われていました。栗梅は現代でも和服、和装小物などのほか、洋服、インテリア、化粧品などに幅広く使われていますので、ぜひ身近なところにある「栗梅」を探してみて下さい。

■ 濡羽色(ぬればいろ)
「濡羽色」とは、カラスの羽のような艶のある黒色のことです。別名「濡烏(ぬれがらす)」「烏羽色(からすばいろ)」ともよばれます。限りなく黒色に近い色なのですが、カラスをよく見るとその羽は青や紫、緑などの光沢を帯びて見えます。「濡羽色」も、よくよく見てみると、そのような複雑な色味を表現しています。

■ 露草色(つゆくさいろ)
「露草色」とは、夏の早朝に咲く露草の花にちなんだ明るい薄青色のことです。露草はツユクサ科の一年草で、日本全国で見ることができます。花や葉の汁で布を摺染(すりぞめ)したことから、古い呼び方を「着き草」といい「月草」「鴨頭草」とも書かれます。また、露草は色がとても落ちやすいことから「うつろう」「消える」などに掛かる枕詞としても使われます。

■ 承和色(そがいろ)
「承和色」とは、菊の花の色のような少しくすんだ黄色のことです。平安時代の承和(じょうわ)年間の帝である仁明天皇(にんみょうてんのう)が、黄色い菊を大変好んだことにちなんだ色になります。「そが」は「じょうわ」から転じた読み方であり、そのまま「じょうわいろ」と読むこともあります。

■ 秘色(ひそく)
「秘色」とは、青磁の肌の色のような浅い緑色のことで、焼き物の青磁の美しい肌色を模した名です。「秘密にされてきた幻の色」というわけではなく、磁は釉薬に含まれる鉄分により独特の灰味を帯びた青緑色になるのですが、その色が神秘的な美しさであることから「秘色」の色名がついたのです。


このように、「和色」には、日本古来から伝わってきた、由緒正しい伝統的なものなのです。時代の中で消えてしまった色や、まだ発見されていない色もあるかもしれない、とてもロマンのあるものです。

媒体が「色」という、形のないものだからこそ、こうして現代まで伝わってきており、今もなお私たちの生活に溶け込んでいるのではないでしょうか。普段見ている「青色」が実は「青色」ではなく、まったく別の読み方と色だった、ということもあるかもしれませんね。

ぜひ、自分のお気に入りの「和色」を見つけて、生活に取り入れてみたり、その色を眺めて目で楽しんでみたりして下さい。

<参考サイト>
http://irocore.com/ *日本人の美の心!日本の色(伝統色の和名色見本)
http://www.colordic.org/w/ 日本の伝統色 和色大辞典


2014/11/18 kan


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